2014/11/10 Mon. 21:32
【被災地訪問】杭の補強で明暗を分けた2つのマンション
仙台市内へ行った際に、日経アーキテクチャー誌で取り上げられていた2つのマンションを見てきました。
●Sマンション(1976年竣工 SRC造 地上14階建 189戸分譲マンション)
●郡山市営住宅(1970年代? RC 地上11階建 団地賃貸マンション)
下の写真は郡山市営住宅の外観。
仙台市内からは車で20分程度の郊外にあります。
所謂”団地”の雰囲気ですが、共用部の修繕を定期的に行い震災後も当然利用されております。



1978年の宮城県沖地震では、この市営住宅には建物に傾斜が確認されたそうです。
原因の一つが”杭”が折れていたことが挙げられております。
対処として、傾いた建物をジャッキアップして、杭の増設や補強等の対処をしたようです。
そして1978年から33年。
今回の震災では構造部に被害が見つかっていないと誌面ではレポートされております。
対するSマンション。
所在地は被害が大きかった仙台市宮城野区。
誌面ではこんな外観だったことが伺えます。
![IMG_1011[1]](https://blog-imgs-58-origin.fc2.com/d/a/i/daisukeogata/2014111522061259fs.jpg)
宮城県沖地震でのSマンションの被害は、建物の傾斜や沈下は認められなかったものの、非構造壁の亀裂や高架水槽の傾斜等、非構造部分の多くの部分で被害が見られたそうです。
しかし、周辺の地盤が沈下し、地中梁の亀裂が発見されたことから、念には念をということで、地下を掘り起こして基礎の状態まで調査されたようです。住民からのヒアリングによれば、杭の欠損が見つかったものの、補強まで施すことなく元通りの補修程度にとどめたようです。
そして、2011年の震災では、軒高40m地点で棟の間隔が75センチ開き、4月7日の余震後の4月10日時点では88センチに開くという、大変な被害が確認されております。
そして、最終的には解体撤去という結果になっております。。
現在の現場写真。
地上部分は解体され、一階の床のみ残っている状態です。
地上14階、189戸の建物が解体されたとは何とも信じ難いです。


SRC構造だったことが伺える鉄骨を切断した箇所。間取りの間仕切壁の跡も何となく残っております。

対照的な運命をたどった2つの建物が誌面では2度に渡り紹介されておりました。
耐震技術は常に更新がなされ、数々の地震を乗り越えた蓄積の上に日々更新されていること。
いろいろと考えさせられます。。
実は、私自身は震災時には都内で戸建住宅の改修の相談で現場打合をしておりました。
ストック活用という視点では、旧耐震の賃貸マンション、分譲マンション、また公共インフラが無数に存在し、この耐震工事は今後の課題でもあります。
廻りの構造技術者であっても耐震のこととなると、、、、なかなか、、、、と言われることが多いですが、
それだけ難しく、未開の分野なのかもしれません。
詳細は、日経アーキテクチャー2011.5.10、2012.3.10号に掲載されておりますので建築系やメンテナンス、賃貸経営のリスクマネージメントという視点で参考になります。
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